
短歌って漢字にできる部分は漢字にしないとダメなの?
カタカナやひらがなにしてもいいの?
こんな疑問にお答えします。
漢字にできるところはすべて漢字にするの?
短歌を作り始めたとき私は「漢字にできるところは漢字にしないと」と思って歌を詠んでいました。
でも実際は漢字を「カタカナ」にしても「ひらがな」にしても問題ありません。
ただそれぞれ読者の受ける印象が大きく変わるので意図して使うようにしましょう。

この歌は漢字にできるところすべてを漢字にした歌です。
全体として固い印象になるだけでなく、二句の「話私」の部分は漢字が続くことで一瞬熟語のように錯覚されてしまうという難点もあります。漢字が連なると読みづらさに影響することもあるので注意が必要です。
カタカナを使うとどうなるの?
カタカナは「テスト」や「クラス」のように初めからカタカナ表記の言葉はそのままで違和感なく歌に組み込むことができます。ですがあえて漢字やひらがなの部分をカタカナに変えると印象は大きく変わります。

先ほどの歌の一部をカタカナに変えてみました。
少し機械的な、冷たい印象があると思います。それと同時にどこか不気味さを感じませんか。
カタカナは漢字の真面目なかたさとは違う、冷たいかたさや不穏さをイメージさせやすいと思います。
ひらがなを使うとどうなるの?
こちらもカタカナ同様、最初からひらがなの言葉なら違和感は特に生みません。ですがあえて使うことで漢字やカタカナとは別の印象を与えることができます。

これまでつかった歌の一部をひらがなにしています。
ひらがなにしたのは「わたし」「あなた」「やさしい」の三箇所。
ひらがなにすると歌全体がやわらかな印象になると思いませんか。
ひらがなはやわらかさやおだやかさをイメージさせやすいです。反面使いすぎると幼稚な文に見えてしまうこともあるので注意しましょう。
最後に
漢字・カタカナ・ひらがな。それぞれの持つ意味が伝わったかと思います。
ただどれも一つの歌の中で使いすぎずバランスを見ながら使ってみましょう。
お互いの存在があるからこそそれぞれの意味が際立ってきます。
歌人の中にはあえて「すべてひらがな」にするなどして歌全体に意味を持たせる方もいます。自分自身で「これはすべてひらがなにしたい。する意味がある」と思ったらためらわずその形で詠んでみましょう。
本記事のまとめ
・短歌のなかで漢字にできる部分すべてを漢字にする必要はない。
・カタカナは機械的なかたさや冷たさ、不気味さなどを表現できる。
・ひらがなはやわらかさやおだやかさなどを表現できる。
・それぞれのバランスを取りながら使うと引き立て合い意味が強まる。
・ただしすべて「ひらがな」や「カタカナ」で詠んでも問題はない。